明治前期における農民の生活水準 2
この自作農の例は、いわゆる「生計費」として示されているものです。
生産を示す指標ではないばかりか、当時の農民層の総体的な家計指標でもないのです。
つまりこの自作農の例は、さきに掲げた土地保有別農民階層区分を参照して判るように、富農的地主層か豪農層に位置づけられる土地保有者です。
また、この自作農は歳入合計245円14銭から、地租、地方税、民費及び学資金等を差し引き、残額207円25銭6厘を作徳としています。
だから、この表は「富家家計」です。
いわゆる家計費は作徳の中からさらに善種譲与金なるもの及び凶歳非常予備及び興産資本金を引いた155円44銭2厘です。
・・・ところがさらに、この中から生産費である肥料及び耕作人その他田地諸費用、田畑1反歩に付き金2円50銭が見積もられ45円37銭5厘が差し引かれています。
そしてその残額の109円6銭7厘が家族5人の生活費とみられるので、家計費は109円6銭7厘としたのです。